出版社・レーベルの紹介文

すてきな保育者たち、子どもの内面を理解する、大人の援助、自己を確立する、生きる力、の五つの章に分け、名作30冊の絵本を通して、子どもを理解し、子どもの成長にとって何が大事であるかを考えます。さらに、絵本に出てくる大人たちの、子どもとのかかわり方についても考察しています。 　著者は四十年、保育の仕事につき、絵本については、保育者や母親たちと絵本サークルで研究会をもってきました。最近、あらためて、絵本には保育に通じる大事なものがいっぱいつまっていることに気づき、本書のかたちにまとめたものです。 　1冊の絵本から、このように読みとる喜びが読者にも伝わってきます。著者の保育観を織りこんだ文から、読者が登場人物の思いや行動にわが身を重ねあわせ、こんな保育者、こんな大人になりたい、子どもってこうやって自己を確立し、成長していくのだなあという感慨をもたせる好エッセイです。

目次

はじめに

第1章:すてきな保育者たち
1.保育者の受容
■「ガンビー」さんのふなあそび
2.信念と実行力
■「マドレーヌといぬ」
3.保育者の存在感
■「トーマスのもくば」

第2章:子どもの内面を理解する
1.成長の喜び
■「ティッチ」「ぶかぶかティッチ」
2.兄妹姉妹との葛藤
■「ねえさんといもうと」「いもうとのにゅういん」「ピーターのいす」「フランシスのいえで」
3.友達を求める
■「きんぎょがにげた」「きみなんかだいきらいさ」「はせがわくんきらいや」「とんことり」

第3章:大人の援助
1.関心を持つ
■「ひつじのむくむく」
2.見守りと励まし
■「ちからもちのタグボート とーとー」「ラチとらいおん」
3.生き方のモデルを示す
■「チムとゆうかんなせんちょうさん」「ねずみ女房」

第4章:自己を確立する
1.自分で選ぶ経験
■「ねえ、どれがいい?」「いつかはきっと…」
2.異文化との共存
■「ゆうたはともだち」「てぶくろ」
3.自分とは何か
■「わたし」

第5章:生きる力
1.立ち直ること
■「スイミー」
2.日常の中に喜びを
■「雨、あめ」「わたしとあそんで」
3.ユーモアの効用
■「そんなときなんていう?」
4.家族の中で
■「14ひきのあさごはん」
5.誕生日おめでとう
■「ケーキがやけたら、ね」「わたしがあかちゃんだったとき」