出版社・レーベルの紹介文

厳しさを増す親の労働・生活実態、その背景にある政治・経済の流れを、保育行政の動きとともに明らかにする。改めて保育とは何かを問う力作。

目次

<第1部:父母の子育て・労働の実態と背景を探る>

第1章:子育ての実態と保育の原点
■子育ての実態をつかむことの意味
■「なぜか食事が“大変”?」を考える
■「なぜ子どもの病気で仕事を休めない?」を考える
■保育園父母の一日の生活を知る
■親の実態と社会的背景をつかむことの意味
■保育とは何か〜子どもから父母の生活、暮らしを見る〜

第2章:今日の保育政策の転換をどうとらえるのか
■「保育サービスの拡充」に対する疑問の声
■保育の拡充を求めてきた保育研究運動
■保育政策の転換と保育をめぐる複雑な諸相

第3章:家族のあり方を揺るがす日本型企業社会の再編
■日本型企業社会の再編と学校・企業・家族の変容(グローバル経済化の流れのなかで変わろうとする日本企業/「専業主婦モデル」から「共働きモデル」への転換)
■日本の企業社会における能力主義
■企業社会再編と働き方の再編のルーツ(日本企業の生き残り戦略/労働法制の規制緩和)

第4章:労働現場の実態と若年・女性労働をとらえる視点
■「高度失業化社会」の到来と雇用の流動化
■実質賃金の低下と労働条件の悪化
■一つの仕事で暮らせない〜長時間低賃金労働と複合就労の広がり〜(パート労働者の約一割が複数の仕事をかけ持ち/複合労働する女性たちの生活実態)
■とりわけ深刻化する若年労働者の実態
■長時間労働の増加〜三十代男性の長時間労働の増加が顕著〜
■女性労働における雇用の流動化と低賃金化(ジェンダーに強く規定された雇用形態/今日の女性労働をとらえる視点)

第5章:保育ニーズの高まりをとらえる視点
■人間らしく生きられる社会とは?〜「構造改革」先進国で起きていること〜
■国民の保育・福祉需要の高まりと保育の未来(新福祉国家への客観的・主体的条件/国民の保育需要の高まりをどうみるか)
■「労働環境の整備」と「保育の拡充」はともに重要な課題(父母と共に「仕事と子育て」の矛盾を分かち合うこと/父母の労働、保育労働をどうとらえるか)