出版社・レーベルの紹介文

19世紀後半から20世紀前半のイギリスにおける婦人労働と保育問題をみる。育児の社会化――保育所、幼児学校の赤ん坊クラスから子育て支援、保育学校、保育クラス形成へ――がいかになされていったか。

目次

<第1編:19世紀後半における婦人労働と保育問題>
第1章:19世紀後半における婦人労働
■第1節:婦人労働者の多い地区
■第2節:レスターの婦人労働者

第2章:レスターの乳児死亡
■第1節:全国一の乳児死亡率
■第2節:乳児死亡の原因をめぐる論争
■第3節:環境衛生の改善

第3章:パンがゆと健康時の顔マーク
■第1節:母乳、人口栄養による授乳
■第2節:出まわる痛みどめ薬

第4章:幼児生命保護法
■第1節:託児業(Baby Farming)
■第2節:幼児生命保護法の成立過程

<第2編:19世紀後半における育児の社会化―保育所、幼児学校の赤ん坊クラス>
第1章:形成される主体的条件
■第1節:保健官の配置(Medical officer of Health)
■第2節:巡回看護婦の活動
■第3節:保育施設の設置構想―Joseph Dare

第2章:レスターの最初の保育所(Day Nursery)
■第1節:保育所の開設
■第2節:保育所の設置目的
■第3節:設置者、保育者、利用者(子ども)
■第4節:保育施設と保育内容

第3章:レスターにおける幼児学校の赤ん坊クラス(Babies Classes)
■第1節:「ギャップを埋める」仕事
■第2節:父母による5歳未満児の就学要求
■第3節:学校委員会と赤ん坊教室

<第3編:20世紀前半における育児の社会化―子育て支援、保育学校、保育クラス>
第1章:5歳未満児の学校通学に関する諮問委員会報告書
■第1節:諮問委員会で証言した人びと(学校関係者の証言/学校周辺の証言者/証言者の証言項目)
■第2節:学校周辺の証言者の証言(Miss Cecil Hhenland(全国保育所協会名誉幹事)の証言/Mr.Robert J.Parr(全国児童虐待防止協会理事)の証言/Miss H.L.Pearse(ロンドン州会保育者監督官)の証言)
■第3節:5歳未満の子どもの施設(保育および教育施設での子どもの呼び方と用語の整理/子どもの施設)
■第4節:年少の幼児のための理想的な施設(建物について/カリキュラムについて/設備(用具、教具)について/職員について)

第2章:1900〜1910年代の母子福祉サービスと保育所(レスター)
■第1節:母子福祉サービス(巡回保健婦/ミルク支給所/乳幼児健康相談所/産前クリニック/「母親のための学校」/赤ちゃん病院/Newton区乳幼児健康相談センター)
■第2節:保育所

第3章:保育学校の誕生と発展―Margaret McMillanの保育学校
■第1節:Elizabeth Bradburnの問題提起
■第2節:Margaret McMillanの略歴
■第3節:赤ちゃんの野外キャンプ(野外キャンプの効用/赤ちゃん向けキャンプ/赤ちゃんキャンプの庭)
■第4節:野外保育学校の開設(野外保育学校の日課/生活を取り入れた保育内容/保育環境を広げる)

第4章:保育学校、保育クラス、そして保育所
■第1節:育児室から保育所、保育学校、保育クラスへ(「育児室(Nursery)」の社会化/保育学校、保育クラスの違い)
■第2節:レスターの保育学校、保育クラス(用語「保育クラス」/レスター教育委員会の保育学校、保育クラス政策/保育学校、保育クラスの誕生と発展/「育児法」教育と学生保母)
■第3節:レスターの子育てセンターとしての保育所

第5章:レスターの保育クラス(実践と理念と)
■第1節:1日は肝油とオレンジ・ジュースで始まる(肝油とオレンジ・ジュース/おやつ/昼食/午睡/シャワーの利用/身のまわりの用事)
■第2節:あそびと仕事、人前で話をする練習、物語を聞く、劇あそび、楽器によるリズムあそび(登校からおやつまで/おやつ後から昼食直前まで/昼食直前/昼食および午睡後から両親が迎えに来るまで)
■第3節:保育クラスにおける保育の目標、保育の方法(1940年代の保育クラス/保育目標/保育方法)
■第4節:保育の内容(健康、衛生、運動/他の人との交わり/美の教育/数の初歩、読み方、書字/人前で話ができる、ことばあそび、劇あそび、語彙/音楽/生き物の世話)