出版社・レーベルの紹介文

子どもたちは大人を「モデル」にして育ちます。ですから、大人はどのような社会をつくりたいかという、基本的な価値観を持たねばなりません。しかし残念ながら最近は、相手に“ことば”で伝える前に、また、自分の気持ちを“ことば”にして整理する前に、力ずくで相手に自分の思いを“ぶちまける”行為が、大人のなかにも子どものなかにも蔓延してきています。それは「会話」「対話」「説明」をすることなしに、自分の考える方向に無理やり持っていこうとする大人の姿が、現在日本のなかに蔓延し、子どもたちのモデルとなっている、ということであるともいえるのではないでしょうか?

目次

第1章:乳幼児の言語獲得と大人の働きかけ
■ことばとは何か
■ことばの獲得
■言い方、語りかけの要素
■一般的な発達の過程
■年齢に応じた大人の働きかけ(生活のなかでの働きかけ/わらべうた・ことばあそびの役割/おはなしすること/子どもが再現すること)
■即興ばなしのヒント(“その子”に向けたおはなし/おはなしづくり・おはなしつなぎ)
■ことばあそび・語呂あわせの楽しみ方
■よい質問や感想を言いましょう
■声、話し方について
■大人が楽しむこと
■言語的な問題を感じたら

第2章:幼児へのおはなし
■おはなしをする時間とスタイル
■方法と特徴
■おはなしの時間に扱う作品の種類
■昔話の特徴
■保育園、幼稚園での“おはなしの時間”の特徴
■おはなしを聞くなかで育つこと
■楽しめる“おはなしの時間”を持つために
■計画―作品の選び方
■絵本
■あそびとしての再現行為と助け方

第3章:幼児の絵本・おはなしの材料
■語ってやりたいおはなしリスト(日本の昔話/世界の昔話/創作/語ってやりたい詩・伝承/道具を使う作品・あそべる作品/伝承詩・語呂あわせ)
■推薦絵本(日本の昔話絵本/世界の昔話絵本/創作絵本)

第4章:人形の作り方・使い方
■人形作りの基礎とヒント
■しゃもじ人形
■小さな棒人形・お手玉人形
■フェルトの手使い人形
■手使い人形
■手使い人形の動かし方