出版社・レーベルの紹介文

保育の質・内容が問われる時代、子育て支援・虐待問題・ジェンダー・第三者評価などを位置付けた新しい実践の展開方向を示す。

目次

はじめに:今日の保育情勢と本書の内容

第1部:保育実践と子育て支援
1.子どもの権利保障と保育園の役割
■わが国の「子ども期」の現実と権利保障
■最優先課題としての子ども虐待問題
■保育政策の動向と子どもの権利
■新自由主義的改革と子どもの権利
■権利保障実践の四方向と具体的内容
■保育の質を構成する要素
2.地域のなかの保育者の役割
■「地域における子育て支援」という視点
■福祉労働の視点から保育の目的を考える
■児童福祉における保育労働の位置
■地域のなかの保育者
■未来を展望した保育者の課題
3.保育条件と子育て支援
■特例、延長保育の変遷をみる
■保育士の忙しさはどこからきているか
■子育て支援策を考える視点
■子育て支援のあり方を考える
■郵便局の数ほど認可保育所を!

第2部:保育の質と第三者評価
1.第三者評価事業をどうみるか
■第三者評価事業とはなにか
■保育所評価項目の内容と問題点
■第三者評価事業をどうとらえ、どう対応するか
2.第三者評価事業対応マニュアル(浅井試案)
■ねらいを見抜いた上で、高得点を導くために
■事前の改善の取り組み準備
■審査当日(第三者評価機関の訪問日)の対応マニュアル
■第三者評価事業への対応のスタンス

第3部:「保育の質」と保育実践
■「保育の質」の変質としての専門職による子ども虐待問題
■「チェックリスト」を基準に「保育の質」を考える
■「保育の質」を決める枠組み
■「保育の質」向上のためのカリキュラム
■保育の専門性にふれて

第3部:子ども虐待と保育・保育者
1.託児所での虐待死事件から考える
■公的保育充実の必要性
■児童虐待防止法と保育者の課題
2.児童虐待防止法の内容と今後の課題
■子ども虐待の現状
■児童虐待防止法の内容
■子ども虐待をめぐるこれからの課題
■11月19日は世界児童虐待防止デー
3.虐待・体罰と子どもの人権
■専門職による虐待=体罰事件の続発
■問われている子どもの人権
■しつけ・体罰・虐待
■体罰合理化論を考える
■体罰禁止の法規定
■これからの課題について
4.SIDS(乳幼児突然死症候群)と専門職のネグレクト
■SIDS問題と専門職による虐待
■専門職による虐待の種類と実際
■なぜ専門職が虐待に向かうのか
■保育園におけるSIDS問題とはなにか
■専門職による虐待を克服するために

第4部:子どもの性の発達とジェンダー
1.保育現場で考えるジェンダー問題
■セクシュアリティとジェンダー
■新・伝統的性別役割分業のなかの男と女
■保育のなかのジェンダー問題
■職場としての保育園のジェンダー問題
■ジェンダーフリーの保育実践
2.子どもの性の発達をどうとらえるか
■子どもの性の発達段階―男性形成の特徴を中心に
■子どもの性の発達段階―女性形成の特徴を中心に
3.子どもの性の自己決定権とセクシュアル・ライツ
■子どもの人権とセクシュアル・ライツ
■セクシュアル・ライツの構成要素
■科学・人権・自立・共生の性教育
4.子どもへの性的虐待とセクシュアル・ライツ
■子ども虐待のなかの性的虐待
■子どもの権利条約と子ども虐待・性的虐待
■性的虐待の特徴

第5部:保育制度・福祉改革はどこへいくのか
1.政府がめざす「保育の市場化」とは
■政府のめざす保育所像
■保育の市場化の動向と問題点
■保育の市場化をめぐる指標
■保育の市場化は何をもたらすか
■「待機児童ゼロ作戦」と保育運動
2.「社会福祉基礎構造改革」はどこまできたか
■社会福祉基礎構造改革の動向と問題点
■福祉の市場化をめぐる指標―「改革」はどこまできているか
■社会福祉法をめぐる問題点―見きわめたい「契約」のレベルと内容
■現在の社会保障・社会福祉の情勢をどう読むか
3.児童福祉法改正をめぐる二つの側面
■2001年11月改正をめぐって
■児童福祉法をめぐるこれからの動向

あとがき:保育者の専門性とはなにか