出版社・レーベルの紹介文

「保育市場化」の動きの中で急ピッチで進められる公立保育園の民営化。全国から相談を受け続ける民営化問題第一人者の著者が、問題を徹底解明し、当事者が抱える悩みに実践的にこたえ、解決の手順をわかりやすく提示した、関係者必携のハンドブック。

目次

1.ぷろろーぐ―さようならあおやぎ保育園

2.よい子を育てる条件
■どんな子に育って欲しい―元気で思いやりがあってかしこい子に
■大切な“ともそだて”の関係
■共同的な保育、公共的な保育
■競争的で市場的な保育

3.いま、保育におきていること―強まる市場化と規制はずし
■十八万人もの待機児の存在の影で保育所定員の弾力化
■三位一体財政改革のあおりで補助金削減
■認可外を都道府県が認定?「認定子ども園」法が成立

4.民営化の事例―民営化で子どもたちは幸せに?
■民営化の概況
■三鷹市の事例―専門化にふさわしい賃金水準が確保されていない
■大田区の事例―保育者が総入れかえになるほどの多い退職者
■大東市の事例―裁判で三一世帯に慰謝料支払い命令
■練馬区の事例―行政が指名した業者に行政が改善勧告
■横浜市の事例―公立保育園廃止処分を違法と判決
■民営化で成功している例はないか

5.民営化がいけない二つの理由―保育の質が下がる・人間の絆をこわす
■保育に必要な条件―専門性
■保育に必要な条件―ミッション性と労働条件
■民営化園はこんなに安い、こんなに人が少ない
■民営化がすすめば保育の質は低下する
■民営化がすすめば人間の絆をこわしていく
■ゆたかな子育てができる三つの条件

6.民営化問題に取り組むさいの留意点
■行政説明責任をきちんと果たさせること
■行政内部の決定は決定ではない
■反論―民営化すれば利便性がたかまる?!
■反論―民営化すれば保育の質が向上する?!
■地域、自治体全体の問題とする
■運動への行政のしめつけにどう対応するか
■反対で一致できなくとも
■労働組合としてどう取り組むか

7.保育を受ける権利と民間委託のかたち
■保育を受ける権利とは
■民営化のかたち1―公立保育園廃園+民間園新設方式
■民営化のかたち2―指定管理者制度

8.民営化が決まってもやるべきことが
■むだにはならない民営化反対の運動
■公正性、透明性のある事業者選定を
■できる限りていねいな引きつぎを
■しっかり反対して、しっかり手を挙げよう
■法的な手段に訴える場合―住民監査請求・直接請求・裁判闘争

あとがきにかえて―この子たちにはじない父母としてプロとして