寒い時期にプランターや花壇に子どもたちが植えた球根。日々、年齢問わず、誰かがじょうろで水をやりながら、芽が出るのを待っていました。
ある日、じっとプランターをのぞいている子どもの姿。そっと後ろから目線の先を見てみると、ほんの少し芽が出ていました。保育者の姿に気が付き、芽を指さすので、「芽が出たね」と言うと、芽をちょこんと触って、「め」と言っていました。
その芽が次第に大きくなり、蕾になって、暖かくなったある日、手のひらをポッと広げるように色鮮やかなチューリップが咲きました。チューリップが少しずつ大きくなる様子を見ていた子どもたち。自然と、チューリップの前で「さいた さいた チューリップの花が~」と体を揺らしながら、子どもたちと歌っていました。
【歌入り】チューリップ 歌詞付き (咲いた咲いた)
チューリップは、大きな花びらで、色もはっきりとしているので、子どもたちに人気のある花のひとつです。
中をのぞき込んだり、風にゆれているチューリップを指でちょこんと触ったりしています。
「きれいだね」「赤も白も、黄色もあるね」と語りかけたあと、「赤白黄色 どの花みてもきれいだな~」と歌うと、言葉で伝えるのとはまた違った柔らかな空気が生まれるように感じます。歌って不思議な力を持っているなあと思います。
他にもチューリップの出てくる歌があるよと、この歌であそびました。
「ズンズンズンズン~」という音もまた面白いのだと思います。「ユラユラユラユラ~」「モソモソモソモソ~」と歌に合わせて体を動かしていると、どんどん楽しさが膨らんでいくのがわかりました。
咲いているチューリップの前で、「ズンズンズンズン ズンズンズンズーン パカッ!」と音をつけて歌っている姿もよく見られました。実際にチューリップが大きくなる様子を見ていた子どもたちが、チューリップの生長をこんな音にして表現できるんだと知って、子どもたちの表現の幅を広げる歌の一つになっていたようです。
園庭にいる虫や花になりきって楽しむことができるこの楽曲は、より虫や花に関心や親しみを持つきっかけになったとも思います。