出版社・レーベルの紹介文

現在、理科教育の振興、科学技術のレベル向上をうたい、数々の策がうたれている。この企画はその時流の中で、「本質的な科学教育は従来ほとんど考えられていなかったが、実は幼児期こそ大切。科学する心を育てなければしっかりした科学者は育たない!　その視点を提示する」先駆的アプローチである。 　第1部では著者3人がわかりやすく座談会で語り、第2部では、ノーベル賞受賞者らに依頼した、「科学する心」への世界的なメッセージを収録し、第3部では、ソニー幼児教育支援プログラムで受賞した日本全国の幼稚園・保育園のビジョンと実践事例を具体的に紹介する。 　日本の未来を明るくする幼児教育の方向を提示し、今、何をすべきかを明確に提案する必読の書である。

目次

<第1部:鼎談・「科学する心」と脳の発達―小泉英明・秋田喜代美・山田敏之―>
第1章:「科学する心」とは?その育成にとって大切なこと
■素直に感じる心/大脳の古い皮質/ゆりかごの中の科学者/学びの身体化/ひらめき/人としての科学者/自然への働きかけ等
第2章:「科学する心」を育むために求められる経験とは?
■自然を感じる環境/命あるものを育てる/遊びの中で追求する/受賞園の取り組みについて等
第3章:今、園と家庭で何をすべきか?
■サイエンスに必要な「謙虚さ」脳科学から考える芸術と科学のセンス/自然物・人工物/英語教育/意欲について等

<第2部:ノーベル賞受賞者らに聞く「科学する心」>
1.小柴昌俊教授に聞く
■まず、先生が科学好きであること
2.野依良治教授に聞く
■「自然」に学ぶことが大切
■自然における「センスオブワンダー」が基本
3.江崎玲於奈教授に聞く
■サイエンスは自ら学ぶことによって初めて理解される
4.ピエール・レナ教授に聞く
■柔らかく自然に接し、注意深く観察したりする
5.イラン・チャバイ教授に聞く
■園の外でも子ども達の好奇心を育むこと
■母親の役割を考える必要がある

<第3部:「科学する心」そのビジョンと育ちの姿―ソニー幼児教育支援プログラム受賞園・実践事例―>
第1章:「科学する心」のビジョン
■「科学する心」を育むしくみ…住吉幼稚園
■「科学する心」の育ちのサイクル…立花愛の園幼稚園
■「科学する心を育てる」ための実践研究…シオン山幼稚園
■感じる心・探究心・命の尊重から…もいわ幼稚園
■「科学するって何?」―遊びの中の学びを通しての検証―…二葉幼稚園・二葉つぼみ保育園
第2章:「科学する」保育の姿―いろいろな事例から学ぶ
A.感じる、気づく
■森は保育の広場(鳥となかよし)…大野町保育園
■若葉の森探検…会津若葉幼稚園
■風を感じて分かること…もいわ幼稚園
■<創意工夫>五感を拓くもりのみち作り…二葉幼稚園・二葉つぼみ保育園
■<創意工夫>みんなで育てよう 科学する心・実践カレンダー…二葉幼稚園・二葉つぼみ保育園
B.考える、試す
■わき芽を残す?…立花愛の園幼稚園
■ビオトープ作り…もいわ幼稚園
■鳥の巣箱作り…もいわ幼稚園
■池作りへの取り組み…茨城大附属幼稚園
■蒲鉾板で遊ぼう…八幡東幼稚園
■<創意工夫>砂鉄で作れる?…北陵幼稚園
C.経験を重ねる、納得する
■大きなシャボン玉はゆっくりのんびり…住吉幼稚園
■よく走る車を作る!…北陵幼稚園
■シオン山農園を作ろう…シオン山幼稚園
■トマトがカラスに食べられた!…シオン山幼稚園