出版社・レーベルの紹介文

日本と韓国における保育・幼児教育の相違点、幼稚園・保育施設の歴史、現況とその特徴、子育て支援の実情など。

目次

<1.韓国における少子化の現状と課題/金勝権> はじめに
1.子どもの出産の理論的論議
■子どもの出産の価値
■所得水準と出産力
2.韓国社会における出生率の変化の様相と意味
■合計特殊出生率の変化の様相と意味
■年齢別出産率の変化の様相と意味
■理想の子どもの数、現存の子どもの数、合計特殊出生率の変化に関する議論
3.韓国における合計特殊出生率変動の主要原因
■統計学的側面における韓国の合計特殊出生率の原因
■価値観および社会的・経済的側面における出生率低下の原因
4.妊娠可能な女性人口、出生率、出生児数の関係性に関する議論
おわりに

<2.韓国の保育と子育ての社会的支援の現状と課題/金明順> はじめに
1.保育・子育て支援の現状
■子育てに対する経済的な費用の支援を通した子育て負担の軽減
■子育て支援の拡大および施設サービスの質の向上(保育施設を通した子育てサービスの拡大/国公立保育施設の拡大のための努力/保育サービスの質的な水準を向上させるための努力/保育施設および学校の養育サービスを提供する時間の拡張)
■子育ての脆弱階層と就学年齢に対する支援およびニーズに合わせたサービスの提供(乳児のための支援の活性化/家庭訪問のアイ・ドォルボミ事業の開始/低所得者層の家庭の子育て支援のための福祉・保健・保育の統合的なサービスの拡大)
■子育てする親の直接に支援する法と制度の定着および拡大(産前・産後の休暇制度/育児給食制度/その他の多様な社会的支援)
2.保育・子育て支援政策の方向
■保育・子育て支援に対する国家と自治体における中長期計画の樹立とそのための努力
■民間保育施設の劣悪な運営状態の向上のために基本補助金を支援する
■子育て支援に対する関係部署の合同の中長期計画の統合的な樹立と実施のための努力
3.保育・子育て支援のための課題

<3.幼稚園教育課程と標準保育課程/丹羽孝> 1.幼稚園教育課程
■幼稚園教育課程の変遷
■2007年幼稚園教育課程(改定の視点/内容と特徴)
2.保育施設の保育課程―標準保育課程の内容と特徴
■嬰幼児保育法制定以前
■嬰幼児保育法制定以後
■標準保育課程(標準保育課程の性格/標準保育課程の構成体系/領域別保育内容/領域別教師指針/結語)

<4.包括的保育の取り組み> 1.乳児保育の現状と課題/韓仁愛
■はじめに
■法制度の整備と乳幼児保育のあゆみ(初期の乳児保育と法制度/嬰幼児保育法の制定と保育事業の拡大/公的乳児保育に向けて)
■乳児保育の現状(保育所数の推移と乳児保育の実施状況/保育料の問題)
■乳児保育の質の向上(乳児保育のプログラムと内容/保育教師の処遇と専門性)
■おわりに
2.障害児保育の現状と課題/金呈
■保健医療サービス(乳幼児健康診断制度の開始/福祉・医療給付制度)
■障害児のための保育・教育施設(幼児教育機関における障害児保育/保育施設における障害児保育)
3.三星福祉財団保育事業の包括的サービス―低所得層地域の保育を中心に―/劉愛烈
■三星包括的保育サービスの開発の背景
■研究の進捗過程
■包括的保育サービスの構成体系
■包括的保育サービスの内容(児童教育プログラム/親支援プログラム/地域社会の連携プログラム)
おわりに

<5.共同育児運動―父母と教師が子どもとともに創りあげた共同組合オリニジップ―/鄭炳浩
1.共同育児運動の意味
2.ともにする人々
■父母
■保育教師
■子ども
3.ともにする生活と学び
■生活教育―ともに食べる、着る、寝る
■体験教育―プロジェクト、遊戯器具、総体的な経験
■開放型教育―時間、空間、社会的な開放を経験
■総合教育―異なることに対する理解
4.共同育児の活用

<6.基本補助金制度の現状と課題―保育の公共性を理解するために―/張京姫> はじめに
1.保育施設の現状
■嬰幼児保育法における政府の役割の消極さからきた民間保育施設の増設
■「保育施設拡充3カ年計画」による民間保育施設の増加
2.保育施設に対する保育予算の現状
■政府支援施設に対する中央政府の支援
■民間保育施設に対する中央政府の支援
3.基本補助金制度
■基本補助金制度の導入背景と目的
■基本補助金制度の内容(基本補助金制度の適用時における原則/標準保育費用の算定/基本補助金制度の適用方法/基本補助金制度のモデル事業)
■基本補助金制度の課題
おわりに

<7.韓国と日本の少子化問題と保育・子育て支援の課題―「文明史」的な課題としての―視角から―/亀谷和史> はじめに―問題の所在と課題設定―
1.韓国の少子化の諸要因とその政策対応
2.韓国と日本に共通する少子化の本質的要因と「文明史」的課題
■アリストテレスの行為論を手がかりに―「実践」と「制作」
■近代科学と「臨床の知」の関係の視点から
3.グローバリゼションと新自由主義に抗して―保育・教育の専門性に関わって

<8.保育・幼児教育の「公共性の拡大」と「保育の質の向上」への追求―韓国の「保育・幼児教育と子育ての社会的支援」に学ぶ/勅使千鶴> 1.韓国の保育・幼児教育および子育ての社会的支援に学ぶための前提―用語の検討
■表音文字を使用する韓国語と表意文字を使用する日本語からくる用語の違い
■「保育」と「幼児教育」という用語について
■「育児」という用語について
2.嬰幼児保育法の改定と幼児教育法制定の意味―保育施設と幼稚園の公的な機関としての社会的承認―
■嬰幼児保育法と幼児教育法の主要な内容
■保育・教育の公共性を拡げる可能性―保育施設・幼稚園の数と利用者数の拡大
■補助金制度改革の可能性―保育施設・幼稚園の「公共化」と「保育の質の向上」の追求―
3.保育と幼児教育の連携と内容面での統一性―再び、「保育施設と幼稚園の公共性と保育の質の向上」の視点から―
■育児政策開発センターの事業
■保育施設と幼稚園の内容面での統一性
■低所得者層の子どもへの公的保育の保障と親への職業支援

<解題:韓国の幼稚園・保育施設とこれらに関わること/勅使千鶴>
■幼稚園
■保育施設
■幼稚園と保育施設の成り立ち
■幼稚園教育課程と標準保育課程
■幼稚園・保育施設の数と園児数の推移
■設置主体別に見る幼稚園・保育施設の数と園児数
■幼稚園と保育施設の利用状況
■私設教育機関としての学院のこと
■幼稚園と保育施設の一元化に関わる動向について