出版社・レーベルの紹介文

親も子も犠牲にせず、保育者も主体的に働ける保育のあり方を、親とのトラブル、長時間保育・子育て支援などの課題に即して、提起する。

目次

<第2部:親とのかかわりを中心とする保育実践の課題>

第1章:親の養育責任と保育・社会的支援
■子育て支援、親への援助はなぜ必要?〜親に対する保育者の悩み、戸惑い〜
■日本は子育ての喜びや満足を阻害する社会
■親が養育責任を果たせるための援助
■子育て支援に「子どもの視点」を位置づける

第2章:親への見方を見直す
■「今の親は保育者に批判的?」を考える(違いを感じているのは親よりも保育者/子どもの成長を保障する保育園への親の信頼は高い)
■「今の親は…」という思い込みはないか?
■「父にやさしく母にきびしい」保育園になっていないか?
■親の子育てをチェックするのではなく、必要な助言・援助を

第3章:家庭での子育てに保育者はどうかかわるか
■親の主体性を尊重し、親として育っていける援助
■一緒に学び合う〜自分の子育てに取り入れるかどうかは、それぞれの主体性の問題〜
■親の子どもへの思いを共有する
■親の思いを理解することの難しさ
■「親を受け入れる」ことの理解をめぐって〜「親を尊重する」ことと「親の要求を何でも受け入れる」ことの違い〜

第4章:親と保育者が一緒に子どもを見つめる
■親が子どもの気持ちやかかわり方を発見する援助を
■子どもの姿や育ちの理解を共有することの困難〜子ども同士のトラブルを中心に〜(親は自分の子どもの問題に直面して保育者との「食い違い」を感じる/「仲よく遊べる子に」という親の思い/子ども同士のトラブルと親同士の関係)
■「子ども同士の関係」をめぐる親への対応(日常の保育のなかで/問題が起きた時の対応)

第5章:「保育園がどこまでやればいい?」を考える
■「保育園がどこまでやればいい?」という保育者の葛藤
■「家庭が本来やるべきこと」は?
■「どこまで」から「どのように」へ
■対話のなかで解決策を探る

第6章:親への対応と職員集団・研修
■「共に悩む関係」の大切さ
■親との対応で悩みを抱えた保育者の軌跡〜必死で子育てする親の姿が見えてきた〜
■試行錯誤のなかで子育て観を見つめ直し、親の見方を深める
■親への対応を具体的に考え合う

<第3部:長時間保育・子育て支援の視点と課題>

第1章:長時間保育実践を深める
■長時間保育を「保育」の問題としてとらえる(延長保育は「オプションの事業」か?/長時間保育は矛盾の固まり/長時間保育は「保育」の問題/「子ども」「親」「保育者」のだれもおろそかにしない視点/「親と保育者の信頼関係」を深める長時間保育を)
■「子どもの視点」をすえた長時間保育の実現に向けて(「子どもの視点に立つ」とはどういうことか?〜「今、目の前の親子にできること」とは?〜/「子どもの視点」から長時間保育のあり方を問う/「子どもの視点」から見た長時間保育の問題点と課題)
■「子どもの視点」から長時間の保育を作りだす〜一日十二時間の保育・日課はどうあったらいいか?〜(「開園から閉園まで」を保育ととらえる/どの子どもにも保育園での充実した一日を/「朝の保育」「夕方の保育」の保育観を深める)

第2章:親・保育者の主体性を大切にする子育て支援
■保育園における子育て支援をどうとらえるのか
■「少子化対策」と子育て支援〜子育て支援は子育ての困難に対する施策〜(少子化の要因と国の子育て支援策のミスマッチ/出産に関する決定権は女性本人に認められるべき権利/子育て支援は少子化のあるなしにかかわらず必要)
■子育て支援は社会全体の課題
■親は子育ての主体、子育てしやすい地域をつくりだす主体
■保育園における子育て支援の特色と課題(子育て支援は保育の営み、実践のなかに/大切な保育者の主体性/保育の豊かな蓄積が子育て支援の中核/保育園における子育て支援の課題/なぜ保育園の子育て支援が十分なものとならないか?〜通常保育と子育て支援活動とのジレンマ〜/子育て支援の取り組みのなかで親を見る目を深める)