もともとは、「あそびうたオールスターズ」に収録されている鈴木翼のあそびうた『なんでやねん体操』。
去年の夏、ワンダーのセミナーを見た、世界文化社の村田さんがあの歌を絵本にできないかと話してきた。
その1ヶ月後テキストを書き、絵を、大阪在住のあおきひろえさんに依頼した。
本場つっこみの街にお住まいのあおきさんは、「大川亭ひろ絵」という高座名も持つほどの落語通。
お笑いの「つぼ」もご存知だ。

思いっきりぼけて「なんでやねん」とつっこむ。
これ、日本初の「ぼけツッコミ絵本」かも。
おもろいでぇ。

中川ひろたか

僕は東京出身で埼玉育ち。
「なんでやねん」という言葉とは関係の薄い地域で育った。

でも、心から関西のお笑いが好きで
関西弁にもかなり憧れを持っていた。
とくに「なんでやねん」というツッコミ。
友だちとの会話の中でも「なんでやねん」とツッコミをいれたい衝動にかられる。
しかし、関東の人間の言う「なんでやねん」ほどサムいものはない。
僕は、ぐっと気持ちを抑えて心の中でいつも、いつも叫んでいた。

そんなある年、大阪の門真市で連続講座の講習会をさせてもらい、受講生のみなさんと
歌をつくるというコーナーで「なんでやねん体操」という歌をつくった。

歌ができたとき、僕の心は踊った。
これで、僕の長年の思い「なんでやねん」を堂々と連発できるのだ！
その年の夏、その歌を大阪の講習会で
「僕は大阪が大好きでこんな歌をつくりました！」
といって　踊ってみた。　

お客さんがどんどんひいていくのがわかった。
なんでか分からなかった。
後日、関西の友人に言われた。
「なんでやねん　という言葉に関東のイントネーションのメロディーをつけたらあかんよ」

なるほど・・・。

そのときから「なんでやねん」の言葉だけは
メロディーを歌わず「なんでやねんっ」と関西のイントネーションでさけんだ。
次の大阪公演のとき、ものすごく受け入れてもらえたのがわかった。

今回は　中川ひろたかさんに文章を書いて頂き、絵本という形にして頂いた。
大阪に住んでいるあおきひろえさんに笑いの要素たっぷりの絵を描いて頂いた。
今度は思う存分なんでやねんを連発できる絵本ができあがった。
こんなに嬉しいことはない。

あとは・・・

読むときのイントネーションさえ　気をつければ。

鈴木翼