出版社・レーベルの紹介文

89年に幼稚園教育要領が改定され、環境による保育という観点が強く意識されるようになりました。それは、保育者自身が環境のひとつであるということです。つまり、保育者が子どもたちにどうかかわっていくかが、環境をとらえる大事な要素となりました。しかし、どのような保育環境をつくりだせば子どもたちの姿が生き生きしてくるのかについて書かれた本はあまりありません。 　著者は、子どもたちの活動の展開と保育環境の関連性について、全国の幼稚園現場にかかわりながら勉強をつづけてきました。本書ではそれらの園の中からとくに24の園に42の実践事例を報告してもらい、環境づくりの意味とコツを探ります。 　また、保育環境のとらえ方、構成の仕方、子どもたちの発達と保育環境との関連についても具体的に解説してあります。 　保育環境づくりは、いまの保育室、園庭、テラスでできるのです。ちょっとした場づくりや物さがしの工夫により、子どもたちの活動が生き生きとしてくることが、事例をよむとわかります。事例は写真をたくさん使用し、見やすく読みやすいように編集しました。

目次

第1章:保育が楽しくなる環境づくり/柴崎正行
■保育を楽しくするには
■環境には、どのようなものがあるでしょうか
■環境を構成するとは、どうすることなのでしょうか
■環境は、何に注目して構成していけばよいのでしょうか
■環境構成は、発達によってどう変えていけばよいのでしょうか
■どうすれば、子どもたちと共に環境を構成していけるでしょうか

第2章:動きを楽しむ環境づくり
■動きに挑戦したり、楽しんだりできる遊具の工夫/秋田県秋田市手形山幼稚園
■動きを楽しめる保育室の工夫/東京都中野区やよい幼稚園
■動きを楽しめる園庭の起伏の活用/群馬県高崎市長野幼稚園
■みんなで運動を楽しめる施設の活用/滋賀県大津市田上幼稚園
■動きに挑戦できる固定遊具の工夫/群馬県高崎市長野幼稚園
■動きに挑戦できる施設の工夫/滋賀県大津市田上幼稚園

第3章:くつろげる環境づくり
■くつろげる椅子やテーブルの工夫/福井県敦賀市早翠幼稚園
■ゆったりとすごせる保育室の工夫/千葉県習志野市杉の子幼稚園
■友達と語れる場の工夫/福島県会津若松市東行任幼稚園
■ゆったりと楽しめるランチルームの工夫/埼玉県北葛飾郡まつぶし幼稚園
■ひと休みできる園庭の工夫/三重県名張市名張幼稚園

第4章:自然に親しむ環境づくり
■草花や虫にふれる工夫/滋賀県大津市瀬田幼稚園
■花や木の実にふれる工夫/静岡県静岡市静岡豊田幼稚園
■土や水に親しむ工夫/東京都葛飾区まどか幼稚園
■動物に親しむ工夫/神奈川県藤沢市大庭城山幼稚園
■生き物に親しむ工夫/千葉県習志野市秋津幼稚園
■花に親しむ工夫/滋賀県大津市瀬田幼稚園
■地域の自然にふれる工夫/島根県出雲市鳶巣幼稚園

第5章:イメージを表現できる環境づくり
■ゆったりと過ごせる絵本コーナー/東京都江東区南陽幼稚園
■作りやすい場や道具の工夫/三重県名張市名張幼稚園
■描きやすい場や道具の工夫/広島県広島大学付属三原幼稚園
■なりきれるための場や小道具の工夫/滋賀県大津市田上幼稚園
■みんなで踊れる場や道具の工夫/滋賀県大津市田上幼稚園
■演じやすい場や道具の工夫/神奈川県平塚市金目幼稚園
■見てもらいやすい場の工夫/千葉県習志野市つくし幼稚園
■子どもの作品を飾る工夫/千葉県印旙郡日吉台幼稚園
■子どもの絵を飾る工夫/千葉県印旙郡日吉台幼稚園、島根県出雲市大津幼稚園
■継続してイメージを実現できる場の工夫/滋賀県大津市田上幼稚園

第6章:探索し創造できる環境づくり
■創造を楽しむ保育室の工夫/千葉県習志野市杉の子幼稚園
■創造を楽しむ遊戯室の工夫/神奈川県箱根町温泉幼稚園
■探索を楽しむ園庭の工夫/東京都葛飾区まどか幼稚園
■創造を楽しむ園庭の工夫/滋賀県大津市田上幼稚園
■探索を楽しめる地域の活用/東京都東京家政大学付属みどりヶ丘幼稚園

第7章:仲間と楽しめる環境づくり
■仲間とじっくり遊べる保育室の工夫/千葉県習志野市杉の子幼稚園
■異年齢で交流できる遊戯室の工夫/京都府京都市泉山幼稚園、福島県会津若松市東行任幼稚園
■仲間とじっくりすごせる玄関ホールの工夫/神奈川県平塚市金目幼稚園
■異年齢で交流できるテラスの工夫/神奈川県平塚市金目幼稚園
■仲間とじっくり遊べる園庭の工夫/群馬県高崎市長野幼稚園
■異年齢で交流できる園庭の工夫/東京都東京家政大学付属みどりヶ丘幼稚園

第8章:楽しい保育環境づくりを進めるために/柴崎正行
■いまある環境を柔軟に活用してみよう
■子どもたちと一緒に進めていく
■保護者や地域に協力してもらう